顎関節症と姿勢ってどう関係するの?
投稿日:2026年2月1日
カテゴリ:顎関節症
「顎を動かすと痛い」「口を開けると音が鳴るときがある」「口がこわばって開きにくい」
こういった症状を呈する顎関節症は、噛み合わせや歯並び、慢性的に続く歯ぎしり食いしばりなどが原因としてよく知られていますが、実は姿勢の悪さも大きく関係しています。
スマートフォンの普及や長時間に及ぶパソコン主体の仕事、デスクワーク中心の生活が続く現代では、猫背や前かがみ姿勢だけでなく、無意識の噛み締めや頬杖といった悪習癖が常態化していると言えます。そしてそれらの影響が、知らず知らずのうちに肩、首、そして顎関節へ負担をかけ、顎関節症の発症や悪化につながっているケースも少なくありません。
今回は、顎関節症と姿勢の関係について詳しく解説しようと思います。
なぜ姿勢が顎関節に影響するのか?
顎関節は頭の重さ(=体重の約10%で、4~6キロとされる)を支える首や肩、背骨と密接につながった部位にあります。本来、正しい姿勢ではこの重さを首を経て肩が受けとめ、背骨がバランスよく支えています。しかし、姿勢が崩れて猫背になったりすると、頭の位置が通常より前方へズレていきます。すると、下顎を下に引く筋肉が否応なく引っ張られることになり、下顎を後ろに強く引っ張る力をかけるようになります。その結果、顎関節に下顎骨が負荷をかけたり、顎周囲の筋肉に余計な負担が生じるようになります。
特に多いのが、いわゆる「ストレートネック」や「スマホ首」と呼ばれる状態です。頭が前に突き出ることで、下顎の位置が後方へ引き込まれ、顎関節が圧迫されやすくなります。この状態が長期間続くことで、関節や筋肉に負担が蓄積し、顎関節症の発症につながるのです。
悪い姿勢が引き起こす顎への影響
姿勢の乱れは、顎関節にさまざまな悪影響を及ぼします。
まず、猫背のような前傾姿勢になると下顎が筋肉の伸長によって後ろに引っ張られた状態になります。この状態では、顎関節の中にある関節円板と呼ばれるクッションの役割をする組織に負荷がかかり、ズレが生じやすくなります。
その結果、
・口を開けたときにカクカク音が鳴る
・口が引っかかる感じがする
・顎の関節が痛む
といった症状が現れやすくなります。
さらに、姿勢が悪いとその位置を保持するために首や肩の筋肉が長時間緊張していることになり、その緊張が顎の筋肉とも連動します。噛む筋肉が常に緊張している状態が続くと、顎のだるさや痛み、こわばりといった症状を引き起こします。
デスクワークと顎関節症の深い関係
現代人に多い顎関節症の背景には、就業環境の変化、とくに長時間のパソコン主体のデスクワークやスマートフォン・タブレットの操作が大きく関係しているといっても過言では無いでしょう。
パソコン作業をしているとき、多くの人は無意識のうちに画面に顔を近づけ、猫背のような前かがみの姿勢になっていることでしょう。また、スマートフォンを見るときも、下を向いた姿勢が長時間続きがちです。
このような不自然な姿勢が常態化・習慣化すると、頭の位置が前に出た状態が固定化され、顎の周囲の筋肉が力んでその頭や首の位置を保持しようとするので顎関節にも慢性的な負担がかかり続けるわけです。さらに、集中しているときは歯を食いしばる癖が出やすくなり、これが顎関節症の発症や進行に拍車をかける要因となりえます。
顎関節症の治療に姿勢改善が取り入れられる理由
近年、顎関節症の治療では、口の中へのアプローチのみでなく「全身のバランス」も意識した治療を重視する考え方が広まっています。歯科における噛み合わせの治療に加えて、姿勢指導や理学療法、ストレッチ指導などを取り入れる医療機関も増えています。
これは、顎関節が全身のバランスの一部として機能しているためです。噛み合わせだけを整えても、姿勢に対するアプローチがなされないと再発する可能性が高くなります。そのため、より根本的な改善を目指すには、姿勢へのアプローチが欠かせないというのが昨今の考え方です。
もちろん、当院もこの流れを汲み、カイロプラクティック専門の先生と提携して施術を行う日を設定しています。興味がある方は中町院または三宿院までお問い合わせください。
まとめ
顎関節症は、単なる顎に限局した問題であることもありますが大抵の場合はそうではなく、全身の姿勢と密接に関係しています。姿勢の乱れは、顎の筋肉や顎関節そのものに慢性的な負担をかけ、顎関節症の発症の引き金や症状悪化の要因となります。
日常生活の中で姿勢を意識することは、顎関節症の予防だけでなく、肩こりや頭痛、首の痛みの改善にもつながります。
「最近、顎が疲れやすいかも」「口を開けると違和感があるときがある」など、顎のトラブルの前兆を感じている方は、上顎と下顎の噛み合わせだけでなく、普段の自身の姿勢にも目を向けてみることが大切です。顎関節を守る第一歩として、姿勢を見直してみるのはいかがでしょうか。
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