歯ぎしりで歯が割れた際の対処法|顎関節症・咬み合わせ専門歯科医院HP

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歯ぎしりで歯が割れた際の対処法

投稿日:2023年4月9日

カテゴリ:歯ぎしり・食いしばり

冷え込む時期になると、寒さでかじかんで歯を食いしばる機会が増えます。それによって詰め物や歯が欠けてしまい急患でご来院される方が多く見られます。今回は歯ぎしりが原因で歯が割れたり欠けてしまった場合の対処法および治療方法を、歯の割れ方や欠け方ごとの症状に照らし合わせて説明しようと思います。

 

ものやひととぶつかるなどの外傷で割れたり欠けたりするのは前歯が多いですが、歯ぎしり食いしばりが原因で起こるトラブルが多いのは奥歯です。奥歯は形が前歯と比べるとしっかり厚みがあり硬そうなイメージがありますが、前歯と同様に歯ぎしり食いしばりの影響を大いに受けてしまいます。また、欠け方や割れ方の程度によっても生じる症状も様々ですので、参考になればと思います。

 

1.無症状 … 歯の一部が欠けてザラザラするところがある程度だと思います。この場合、歯の比較的浅い面(最表層のエナメル質)が欠けている場合がほとんどです。ざらつく面を研磨したり、必要に応じて詰め物をしたりして対応します。

2.冷たいものがしみる … 穴が空いているように感じたり舌触りが悪いように感じたりします。1.と比べると歯の少し深いところから欠けていることが多いです。欠けた部位にもよりますが、詰め物や被せ物で対応することがほとんどです。稀に、破折が神経にまで至っていることがありますので、その場合は神経を取る抜髄処置を行うことがあります。

3.冷たいもの温かいものがしみて、何もしなくても痛いときがある … 噛んだときに痛い、という訴えも生じたりします。過去に詰め物をして薄くなったところをきっかけに欠落してしまうことが多いようです。この場合、歯の神経が露出(露髄といいます)している可能性があり、大抵の場合は抜髄処置を実施してから被せ物になります。欠けた部位が大きすぎる場合、抜歯になることもあります。

4.歯が揺れるような気がして噛んだときに痛い … 歯が割れてかけらが脱落せず、まるでゆれているようにカタカタ動いている状態です。かけらが動くたびに痛んだり、割れ方によっては冷たいもの温かいものがしみたり何もしなくても痛むこともあります。割れたかけらを除去した上で、必要に応じて抜髄処置してから被せ物をしていきますが、割れ方が深刻な場合は抜歯になることもあります。

5.歯が欠けている感じはないが、歯が揺れている … 今回のトピックとは例外になるかもしれませんが、まるで重度の歯周病になったかのように歯がグラグラ揺れている状態です。痛む場合もあれば無症状の場合もあります。歯ぎしり食いしばりによって極度の力が当該歯にかかると、自分の顎の力で自分の歯を矯正しているかのように力をかけてしまいます。結果としてその歯の周囲の骨が急激に溶けてしまい、歯がぐらつくというわけです。この場合、原因となる異常な噛む力がその歯にかからないようにする咬合調整を行った上で歯がぐらつかないように両隣の歯同士で接着剤で一時的に固定(歯牙固定といいます)をして経過観察をしていると、急激に溶けてしまった骨も大抵の場合は徐々に回復してきます。

 

1.や2.や稀に5.は虫歯の処置をしたことのない歯でも生じる可能性がありますが、基本的に過去に虫歯の治療をして詰め物をしている歯や神経を取る処置(抜髄処置や感染根管処置といいます)をしている歯は、とくに割れるトラブルが多発する傾向があります。

そもそも、どれだけ歯ブラシを頑張っても、虫歯になったり詰め物が割れてしまうトラブルが尽きない場合はこれらの虫歯の発生の起源が歯ぎしり食いしばりによって生じた「ヒビ」によるものである可能性もあり得ますので、気がかりである場合は相談からいかがでしょうか。

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