寝ている時の歯ぎしりの原因について|顎関節症・咬み合わせ専門歯科医院HP

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寝ている時の歯ぎしりの原因について

投稿日:2023年11月6日

カテゴリ:歯ぎしり・食いしばり 顎関節症

歯ぎしり食いしばりといえば、大抵の場合連想するのは睡眠中にギリギリと歯を鳴らすところだと思います。

今回はそういった寝ている時の歯ぎしり食いしばりの原因は何なのか、お話したいと思います。

 

実を言うと、睡眠中における歯ぎしり食いしばりは全て抑制することは出来ないと言われています。どんなに心身ともに健康で健常で理想的な噛み合わせを持っていたとしても、睡眠中における歯ぎしり食いしばりは約15分ほど発生していると言われています(8時間睡眠換算)。

また、特に指摘されたことはないという人でも寝ているときに歯と歯を強く噛み締めていたりするようで、ほとんどの方が潜在的に歯ぎしり食いしばりをおこなっているともいわれています。

この歯ぎしり食いしばりはコントロール出来るものではないですし、抑制してよいものではないので、これ以上の不要な歯ぎしり食いしばりをどうやって抑制していくかが重要ということになります。

今回のテーマの解答としては、取り巻く環境や呼吸環境(鼻の通りの良し悪し、喉の奥の気道の大きさ、舌の位置など)が原因です。

まず、寝ている間の歯ぎしり食いしばりの原因は取り巻く環境からくる日常的なストレスであることが挙げられます。軽度の歯ぎしり食いしばりであれば有効です。しかし、現代においてストレスケアをしたとしても自身が想像しているよりもあまり改善しないことも多いのでは、と思います。

また、呼吸環境が悪いことによって生じる歯ぎしり食いしばりもあります。鼻の通りが悪いと、当然のことながら口呼吸になります。そして口の中に空気の通り道を作らないといけないので舌の位置が低くなります。その状態は通常よりも舌の位置が低いことを指して低位舌と呼ばれます。そうすると下顎の位置も変化して最終的には気道を狭くしてしまいます。その呼吸がしにくい状態を改善しようと下顎を元の位置…前に出そうとしたり、横を向いたりしてなんとかして気道を確保するわけです。その気道を確保しようとする代償に下顎を頻繁に動かす過程で歯ぎしり食いしばりが発生するのです。

 

では、そういった原因に対してどういう対処法があるのかもお話していきましょう。

・就寝中にマウスピース(ナイトガード)を使用する

歯ぎしり食いしばりから歯や顎を守ることだけであれば、保険診療としてナイトガード(就寝中に使用するゴムやプラスチック製のマウスピース)を使用する方法があります。この場合、歯ぎしり食いしばりはなくなることはないので対症療法的な方法と言えますが、比較的安価です。また、ナイトガードは消耗品です。個人差はありますが、徐々に削れて劣化したり破損していきます。破損したまま使用し続けるのは場合によっては危険です。作成した歯科医院に相談しましょう。

・ボツリヌストキシン注射

歯ぎしり食いしばりの過剰な力のもとである筋肉にアプローチする方法で、歯や顎を損耗から守ることができます。噛む際に使用する主要な筋肉にボツリヌストキシン注射を行うことで、本来不要な過剰な筋力をつけてしまった筋肉を脱力させます。一度の使用でかなり効果を実感できます。複数回にわたって定期的に行うことで、長期的な効果が見込めます。

・噛み合わせを検査して、必要に応じて噛み合わせの治療を行う

選択肢の中では理想の治療といえます。「噛み合わせ」は当たり前ですが顎の成長に伴って確立されていきます。つまり遺伝による傾向や顎の周りの筋肉の発達状況、さらにそれらを取り巻く生活環境要因や、弄舌癖や咬唇癖などの悪習癖などの様々な要素によって左右されます。そういった成因を解明し、顎の良好な位置関係をつくることで歯ぎしり食いしばりをせずにリラックスしやすい環境を作ることが出来ます。

 

寝ている間の歯ぎしり食いしばりは無意識的に行われるので、どうしようもないというお考えもあるかもしれません。しかし些細な気づきで今後の大きな問題を回避することに繋がるかもしれません。まずは相談からいかがでしょうか。

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