歯ぎしりの予防法について|顎関節症・咬み合わせ専門歯科医院HP

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歯ぎしりの予防法について

投稿日:2023年10月2日

カテゴリ:歯ぎしり・食いしばり 顎関節症

A今まで様々な角度から歯ぎしり食いしばりについてお話をさせて頂きました。ここに至るまでで、虫歯に予防法があるのなら、それと同じように歯ぎしり食いしばりの予防法もあるのでは?といったお考えが湧いた方もいらっしゃるかもしれません。たしかに、歯ぎしり食いしばりが発生することを未然に防いだり、それにより生じるトラブルを減らしたり回避する方法は存在します。

しかし(以前お話したことがあるかもしれませんが…)、歯ぎしり食いしばりを100%抑制することは出来ません。どんなに健康な噛み合わせを持っていても、どんなに心身ともに健康であっても、多少なりの歯ぎしり食いしばりをしています。睡眠中(約8時間)であれば健常者でも約15分は歯ぎしり食いしばりをしているといわれているくらいです。

なので語弊がありますが、身体機能上必要な歯ぎしりというのも存在するということです。

今回はそういったいわば不要な歯ぎしり食いしばりはどう予防できるのか、についてお話したいと思います。

 

実は、現代においてほとんどの方が必要以上に歯ぎしり食いしばりをしていると言われています。それこそ「私は寝ている時に歯ぎしり食いしばりを指摘されたことはない」という方でもです。歯ぎしり食いしばりというのはなにも睡眠中だけに生じるものではなく、起きている時でも無意識的・意識的に上下の歯を噛み合わせていたり、カチカチと歯を鳴らしていたりしていれば、それも歯ぎしり食いしばりに含まれるのです。それらは正しくはTCH(Tooth Contacting Habit)と言ったりしますが、歯とは本来「食事中」と「会話中」以外は接触しないといわれていて、顎が楽で自然な位置においては上の歯と下の歯は数ミリ開いています。しかし、ふと気づくと上の歯と下の歯が接触していたりして、離れた状態を維持することが難しいという方も多いようです。

こういった問題は基本的に上顎と下顎の位置関係の不調和に根ざしていることが多いので、予防のカギは成長期にあるということになります。

成長期では上顎の成長が先に始まります。ということは、その上顎の成長方向や広がる量などが十分でないと下顎の成長にも悪影響を及ぼしてしまうということです。その結果として顎の発育が理想的になされず不十分になってしまいます。早い場合、成人するまえに顎の症状を訴えたり自覚したりするようになります。

ここでよくある問題として、そういった顎の症状や歯ぎしり食いしばりを意識し始めたり、それに伴う症状を自覚するのは成長のピークを過ぎていることが多い、ということがあります。成長期の子が自身で顎の不調だったり呼吸の問題を自ら積極的に訴えることはあまりなくて、大抵の場合は保護者が下の前歯が乱ぐい歯になっていたり八重歯になってきたから診てもらおう…、と受診された際に噛み合わせや顎のトラブルが発覚するケースがほとんどなのです。顎の成長が著しいのは7歳から8歳あたりなので、その頃には必要に応じた成長の誘導を目的とした矯正治療という形でアプローチが出来ると理想的です。

基本的に顎の成長の最盛期にあたる年齢であれば矯正治療における選択肢が限られてしまうことはほぼありません。お子さんが小学校に入学したら、まずは健診も兼ねて歯ぎしり食いしばりのリスクを鑑みて咬み合わせや顎の相談で足を運んでみるのがいいかもしれません。

 

余談ですが、こういった小児期の矯正をする上で我々が大切にしているポイントがあります。それは歯並びをよくすることではなく顎の成長誘導を第一に考えているということです。我々がそうした矯正を実践している理由は前回お話したように、歯並びがきれいになれば噛み合わせが良くなる、ということではないからです。しかし、噛み合わせが理想的で良好であれば、歯並びもそれほど乱れていることは少ないです。なので、はじめから顎や噛み合わせを意識した矯正を行うことができれば見た目にも機能的にも良好な歯並びと噛み合わせを得られて一石二鳥というわけです。

興味があったり、ちょうどこのことで悩んでいるのであれば、まずは当院で相談からいかがでしょうか。

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