顎が痛いとき、冷やす?温める?どちらが良い?
投稿日:2025年3月3日
カテゴリ:顎関節症
顎関節症は、顎の関節や筋肉に問題が生じることで痛みや違和感、運動障害を引き起こす疾患です。その症状の中でも、「顎の痛み」に対して、冷やすべきか温めるべきか悩む人は多いことと思います。実は痛み方や部位によって冷やしたほうがよい場合と温めたほうがよい場合があり、それぞれのケースに応じた対処が必要です。本記事では、どちらの方法が適しているのかを解説し、適切な対処法を紹介していこうと思います。
冷やしたほうが良いケース
顎関節症の症状が急性期(症状が出始めた直後や痛みが強く熱感を伴う炎症があるとき)の場合、冷やすことが推奨されます。ただし、氷や保冷剤のようなもので冷やすより、水道水で濡らしたタオルを軽く絞って冷やすくらいが良いでしょう。
冷やし方のポイント:適度に濡れたタオルで患部を15〜20分程度冷やすと良いでしょう。氷や保冷剤を用いると過度に冷却されてしまい、逆に血流が促進されて逆効果です。それだけでなく、凍傷のリスクもありえます。
1. 炎症がある場合
顎関節周辺に炎症が生じている場合、脈打つような痛みとともに腫れや熱感を伴うことがあります。このようなときは、冷やすことで血流を抑え、痛みを鎮静する効果が期待できます。
2. 急激な痛みがある場合
慢性的に続いていた痛みが突然強くなったときや、何か硬いものなどを噛んだ瞬間に鋭く強い痛みが走る場合も冷やすことが効果的です。
3. 顎をぶつけた場合
転倒や外部からの急激な衝撃で顎を痛めた場合、まずは冷やすことが大切です。炎症を抑えることで血流がコントロールされるので腫れや内出血が軽減されます。
温めたほうが良いケース
顎関節症の症状が慢性化している場合や、筋肉の緊張が原因となっている場合は、温めることが有効です。
温め方のポイント:蒸しタオルを使う(タオルを水で濡らし、電子レンジで30秒〜1分温める)と良いでしょう。だいたい10〜15分ほど温めると効果的です。就寝前や比較的リラックスした環境下で行うとより良いでしょう。
1. 筋肉のこわばりが原因の痛み
ストレスや長時間の悪い姿勢などによって顎周りの筋肉が緊張してしまい、痛みを引き起こすことがあります。このような場合は、温めることで血流を促進し、筋肉をほぐすと痛みが緩和されやすくなります。
2. 顎のこわばりや違和感が続く場合
顎周りの筋肉や靭帯の柔軟性が低下している場合、温めることで可動域を広げ、痛みが和らぐことがあります。
冷やす・温めるのどちらでも効果がない場合の対処法
冷やしたり温めたりしても想定以上の効果が出ず、痛みが軽減しない場合は以下のような対処を講じていく必要があります。
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食事の工夫:硬い食べ物を避け、柔らかい食事を心がけるようにしましょう。
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歯の食いしばりの意識:日中、知らず知らずのうちに噛み締めていることがあるかもしれません。意識的に歯の接触を減らすことで症状が落ち着かせやすくなります。
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専門医の診察を受ける:冷やす・温めるいずれの方法でも改善しない場合や、上記の方法を講じてみたが痛みが変わらない・悪化する場合は、噛み合わせの治療を行っている歯科や口腔外科を受診し、専門的な治療を受ける必要があります。
まとめ
顎関節症の痛みに対して、冷やすか温めるかは顎の症状によって使い分けることが大切です。
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・外傷による痛みや熱を持った痛み・炎症がある場合 → 冷やす
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・筋肉の緊張や慢性化した痛みの場合 → 温める
どちらを試しても改善しない場合は、生活習慣の見直しやマッサージを試し、それでも解決しなければ専門医に相談しましょう。ただし、自己判断しかねる場合は歯科医院を受診するほうが良いでしょう。
適切な対処を行うことで、顎の痛みを和らげ、快適な生活を取り戻すことができるでしょう。
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