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運動不足の人は顎関節症になりやすいですか?

投稿日:2025年6月2日

カテゴリ:歯ぎしり・食いしばり 顎関節症

現代人の多くが悩んでいる「運動不足」。デスクワークの増加やスマートフォンの普及、職務形態の変遷などにより、身体を動かす機会が減少しています。そんな中で、増加傾向にある症状のひとつが「顎関節症(がくかんせつしょう)」です。

「口が開けにくい」「顎がカクカク鳴る」「顎が痛い」といった症状がある方は、もしかしたら顎関節症かもしれません。では、運動不足と顎関節症には、実際にどれほど関係があるのでしょうか?今回はその関係性について、医療的観点と生活習慣の側面から考えてみます。


顎関節症とは?

まず、「顎関節症」とはどのような病気なのでしょうか。改めて説明していきます。

顎関節症は、顎の関節(耳の前あたり)やその周囲の筋肉、関節円板(軟骨)などに問題が生じることで、以下のような症状が現れる状態を指します。

このような症状は、運動不足になりがちなデスクワークなどといった長時間にわたる動かない状態が続く環境によって慢性的に筋肉が緊張したり、歯を噛みしめたり、姿勢の悪さなどが原因とされることが多くあります。


運動不足がもたらす身体への影響

運動不足によって起こる代表的な影響は以下のようなものです:

これらの影響は、一見顎とは無関係のように思えますが、実は密接に関係しています。特に「姿勢の崩れ」と「筋肉のこわばり」は、顎関節症の大きなリスク因子になります。


姿勢と顎関節の意外なつながり

私たちの頭の重さは約5〜6kgあると言われています。正常な姿勢ではその重さを首や肩の筋肉がバランスよく支えていますが、猫背やストレートネックといった不良姿勢になると、首の前面に余分な負荷がかかり、顎の位置も本来より後方や上方にずれてしまうことがあります。

この「顎のズレ」が、関節や咀嚼筋(噛む筋肉)に過剰なストレスを与え、顎関節症の原因になると考えられています。

運動不足の人は、体幹や首周りの筋力が弱くなりがちで、その結果として正しい姿勢を保ちにくくなります。つまり、運動不足は間接的に顎関節症のリスクを高める要因になり得るのです。


運動による予防効果と改善の可能性

適度な運動を日常に取り入れることで、次のような効果が期待できます:

ウォーキングやストレッチ、軽めの筋トレなどを継続することで、顎関節症の予防や軽減に効果があるとする研究も増えています。特に、肩甲骨や背中、首まわりをほぐすストレッチは、顎の動きとも関係が深く、日常生活の中に取り入れやすいでしょう。


顎関節症を引き起こさないためにできること

運動不足だけが顎関節症の原因ではありませんが、以下のような生活習慣を見直すことが予防・改善の第一歩になります。


まとめ

運動不足は直接的に顎関節症を引き起こすわけではありませんが、「姿勢の崩れ」や「筋力低下」「ストレスの蓄積」といった間接的なリスクを増やします。日頃から身体を適度に動かし、バランスのとれた生活を心がけることが、結果として顎関節の健康を守ることにつながるのです。

もし「顎が鳴る」「開けにくい」「痛む」といった症状がある場合は、我慢せずに歯科や口腔外科、あるいは顎関節症に詳しい医療機関へ相談しましょう​

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