なぜ顎関節がなるときがあるの?
投稿日:2026年1月16日
カテゴリ:顎関節症
口を開けたときに「カクッ」「コキッ」「ジャリジャリ」といった音が顎関節から聞こえることはありませんか?痛みがない場合でも、「この音は大丈夫なのだろうか」「放っておいてもいいのか」と不安に感じる方は多いでしょう。
顎関節症における関節雑音は珍しいものではありませんが、その原因や意味は音の種類や状態によって異なります。
今回は顎関節の音が鳴る理由、音の種類ごとのメカニズム、注意すべきポイントについて詳しく解説します。
顎関節の構造と音が出る仕組み
顎関節は、下顎骨と側頭骨により構成される関節で、それらの間には「関節円板」と呼ばれるクッションのような軟骨組織があります。
この円板は、顎の動きに合わせて前後にスムーズに動き、関節への衝撃を和らげています。
しかし、何らかの原因でこの円板の位置や動きが乱れると、顎の動きが滑らかでなくなり、音・触覚として感じられる現象が起こります。
関節音の主な種類とその原因
1. カクカク音・コキッという単発音(クリック音)
最もよく見られる関節音が、口を開けるときや閉じるときに「カクッ」と鳴るクリック音と呼ばれるものです。
原因
関節円板が本来の位置からずれてしまい、開口時に下顎の関節が円板と強く干渉することで音が生じます。
これを「関節円板前方転位(復位性)」と呼びます。
特徴
・開ける途中で一度だけ音が鳴る
・痛みがないことも多い
・初期の顎関節症で多く見られる
この段階では必ずしもすぐに治療が必要とは限りませんが、放置すると悪化する可能性があります。
2. ジャリジャリ・ザラザラという連続音(クレピタス音)
砂を噛むような「ジャリジャリ」「ミシミシ」といった雑音がする場合は、先程のクリック音のときよりも注意が必要です。
原因
・関節軟骨の摩耗
・下顎の関節(下顎頭)の変形
・変形性顎関節症
・歯ぎしり食いしばり
・噛み合わせの乱れ
関節表面が滑らかさを失い、円滑な運動が阻害されて顎の動きに伴って摩擦が生じることで音が出ます。また、関節を取り巻く靭帯が引き伸ばされて生じる音もこういった音に似ています。
特徴
・音が連続的
・顎の開閉ともに生じる
・顎を動かしたときの痛みや開口量が制限されていることが多い
このタイプはある程度進行した重度の顎関節症で見られます。治療には専門的な診査診断・評価が必要で、場合によっては外科的治療が用いられます。
また、慢性的な歯ぎしり食いしばりや噛み合わせ(上顎と下顎の位置関係)の乱れが原因で関節円板に長時間強い圧力がかかる状況が生じます。結果として雑音を生み出す(=顎関節症を誘発する)誘因になったりします。
音が鳴るだけなら放置してもいい?
「痛みがないから大丈夫」と考えがちですが、関節音は顎関節に負担が慢性的にかかっているサインであることが多いです。
例えば…
・音が大きくなってきた
・口を開けにくくなってきた
・音の種類が変わった
・顎の音が鳴るときに痛みや違和感が出てきた
このような自覚がある場合、顎関節症の病状進行の可能性があります。早めに歯科医院での相談が望まれます。
顎関節の音(関節雑音)への対処法
顎関節が何かしら音がなるときは、痛みや運動障害(開口量が制限されるなど)がない限りは日常生活での習慣を見直すことで軽減させることができるかもしれません。
1. 日常生活でできること
・大きく口を開ける頻度を減らす
・歯と歯が接触していると自覚したら歯を離す
・片側だけで噛むクセをやめる
・不自然で無理な姿勢の保持を避ける
2. セルフケアが限界と思ったら歯科医院へ
日常生活の生活習慣を見直しても効果がなかった場合は歯科医院の受診をおすすめします。
・マウスピース(スプリント)による関節負担の軽減
・噛み合わせの評価
・生活指導・セルフケア指導
多くの場合、上記のような保存的治療(機能や組織を取ったりしない治療)で症状の改善が期待できます。
まとめ
顎関節症による関節雑音は、顎やその周囲でトラブルが起きつつあることを知らせる重要なサインです。音の種類やそれに伴う症状によって病状が異なるため、「ただの音」と軽視せず、自分の顎の状態を知るきっかけにするのが良いでしょう。
違和感や痛みが続く場合は、早めに歯科医院へ相談に行くようにしましょう。そうすることで、将来的な顎のトラブルを軽減・回避することができます。
■ 他の記事を読む■


