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顎関節症って頭痛や肩こりに関係あるの?

投稿日:2025年12月17日

カテゴリ:顎関節症

「頭痛が不定期にやってきてなかなか治らない」「肩こりが慢性化している」
このような症状が続いているにもかかわらず、原因がはっきりせずに悩んでいる方は少なくありません。実はその不調、顎関節症が関係している可能性があります。

顎関節症は「顎のトラブル」というイメージが強いですが、実際には頭・ 首・肩などに存在する筋肉に影響を及ぼすことが知られています。今回は顎関節症と頭痛・肩こりがどのようにつながっているのか、そのメカニズムと対処法について解説します。

なぜ顎関節症で頭痛や肩こりが起こるのか

1. 顎・首・肩の筋肉は連動している

顎を動かす筋肉(咀嚼筋群)は、隣接する首や肩の筋肉と筋膜でつながっています。そのため、顎の筋肉が力が入った状態(過緊張)になると、その影響が首や肩に波及します。

例えば、側頭筋(こめかみ周辺の筋肉)が緊張すると、締めつけられるような頭痛が起こりやすくなりますし、首・肩の筋肉が緊張すると、慢性的な肩こりを引き起こします。

2. 歯ぎしり食いしばりによる顎関節症への波及

顎関節症の背景には、歯ぎしり食いしばりが同時に存在することは今までお話してきた通りです。歯ぎしり食いしばり時の咬合力は、通常の噛む力の数倍になるので、当然のことながら顎の周囲の筋肉に大きな負担をかけます。

この過剰な負荷が慢性的に繰り返されることで、筋肉痛のような状態になります。その結果、筋緊張性頭痛や、肩・首の重だるさが生じやすくなるのです。

3. 姿勢の乱れによる顎関節や顎周囲の筋肉への負担増加

猫背やストレートネックと呼ばれる頭が前に出る姿勢では、意識せずとも勝手に下顎が後方に筋肉により引かれて押し込まれてしまいます。その力に抵抗して、下顎の位置を安定維持させようと咀嚼筋が力を入れて拮抗します。結果として顎周囲全体の筋肉に余計な負担がかかります。

この状態が続くと顎関節症・頭痛・肩こりが互いに悪化し合う悪循環に陥ってしまいます。

4. 自律神経の乱れと痛みの増幅

ストレスによって交感神経が優位になっていたり、質の悪い睡眠(眠りが浅い)状態が続くと、顎の筋肉の緊張が強まります。

その結果、頭痛や肩こりも併発してしまいます。

顎関節症由来の頭痛・肩こりの特徴

顎関節症が関与している頭痛や肩こりの場合、次のような特徴が見られることがあります。

 ・こめかみや耳の周囲も痛んでいる

 ・朝起きたときに顎周りがじんわりと痛んだり、頭痛や肩の重さがある

 ・口を動かすと頭痛が強くなったり発現したりする

 ・マッサージをしても寛解しても再発して改善しない

これらが当てはまる場合、顎関節症の評価・診査診断および治療が必要かもしれません。

改善のためにできること

1. 日常でできることはある?

限界はあるかもしれませんが、日常において以下のようなことを実践出来れば多少の改善は見込めます。

 ・上下の歯を離す意識を持つ

 ・長時間同じ姿勢を避け、こまめに首・肩を動かす

 ・あくびや大きな開口を控える

 ・シャワーではなく入浴で体を適度に温め、筋肉への血液循環を促す

2. それでも良くならなければ歯科医院へ

歯科では、以下のような方法で顎への負担を軽減できます。

 ・就寝時に使用するマウスピース(ナイトガード)を作製、装着して顎や歯への負担軽減

 ・診査診断をした上で、顎の位置を整えるマウスピース(TRPスプリント)の作製と使用

 ・過去にセットした補綴物(詰め物や被せ物)の噛み合わせのチェックや調整

 ・顎関節症を考慮した矯正治療

原因が顎の構造や噛み合わせの関係にある場合、鎮痛剤や肩こり対策だけでは根本改善にならず、慢性的に症状が続くことが多いです。

まとめ

顎関節症と頭痛・肩こりは、筋肉・姿勢に密接につながっています。
慢性的な頭痛や肩こりに悩んでいる方は、「顎」に目を向けることで原因が見えてくるかもしれません。

顎の違和感や不調を感じたら早めに歯科医院へ相談してみることをおすすめします。顎の不調が全身の不調を引き起こしていることもありえます。そういったトラブルを改善するきっかけを得るためにも、顎に気になるトラブルがあるようならまずは相談から始めてみませんか?​

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