顎関節症とストレスの関係とは?|顎関節症・咬み合わせ専門歯科医院HP

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顎関節症とストレスの関係とは?

投稿日:2025年12月15日

カテゴリ:顎関節症

「顎が痛い」「口を開けると音が鳴る」「食事をすると顎が疲れる」――
このような顎関節症の症状を訴えるほとんどの場合、日常的なストレスが大きく関与しているかもしれません。

顎関節症は、単なる関節や骨の問題ではなく、心体のバランスが崩れた結果として現れるトラブルでもあります。本記事では、顎関節症とストレスの関係性について、なぜ起こるのか、どのように悪化するのか、そしてどのように向き合えばよいのかを詳しく解説します。

※今回取り上げるストレスは、身体外に由来するストレスのこととしてお話しようと思います

顎関節症とはどのような状態か

過去の記事で何度か説明していますが、顎関節症とは、顎の関節や周囲の筋肉に痛み・違和感・動きの制限が生じる状態の総称です。代表的な症状には以下があります。

 ・口を開閉するときに痛む

 ・顎を動かした際のカクカクする

 ・顎関節あたりにカクっと音がする

 ・口が大きく開かないときがある

 ・顎周囲のだるさや疲労感

 ・頭痛、肩こり、首の痛みを伴うこともある

これらの症状が生じている段階では、レントゲンやMRIで顎関節の明らかな異常が見つからないことも多く、原因が複合的であることが顎関節症の大きな特徴です。

なぜストレスが顎関節症に関係するのか

1. ストレスに対する筋肉の反応

人はストレスを感じると、無意識のうちに体に力を入れてしまいます。これは自律神経の働きによるもので、交感神経が優位になることで筋肉が緊張状態に入るためです。

顎の周囲の筋肉は口を開けたり閉じたりする際に活躍する強力な筋肉です。ストレスが続くとこれらの筋肉が常に緊張し、顎関節に過剰な負担がかかることで痛みや違和感が生じるわけです。

2. 食いしばり歯ぎしりを誘発する

日中の歯ぎしり食いしばりは自覚が少なく、「気づいたら歯を強く噛みしめている」という状態が慢性化しやすいのが特徴です。

本来、上下の歯は安静時には接触していません。しかしストレス下では、無意識に歯を噛み合わせることで緊張を逃がそうとする反応が起こります。この力は、通常の咀嚼時よりも強くなるとされ、顎関節や筋肉を疲弊させてしまいます。

3. 自律神経の乱れと痛みの感受性

慢性的なストレスは自律神経のバランスを崩し、痛みを感じやすい状態を作ります。すると、軽度の顎の負担でも「強い痛み」として感じるようになり、症状が悪化したように思えてしまいます。

また、睡眠の質が低下することで、夜間の歯ぎしりが増えたり、筋肉の回復が追いつかなくなったりすることも、顎関節症を長引かせる要因です。

ストレスが原因の顎関節症の特徴

ストレスが深く関与している顎関節症には、次のような傾向が見られます。

 ・症状が日によって強くなったり弱くなったりして不定愁訴の様相がある

 ・時期・季節によって悪化する

 ・検査では大きな異常が見つからない

 ・肩や頭、首などに慢性的なトラブルを抱えている

 ・眠れなかったり眠りが浅いことが多い

このような場合、顎関節の構造や器質的トラブルよりも筋肉の過緊張に起因することのほうが多いようにみえます。

顎関節症とストレスへの向き合い方

1. 顎を休ませる意識を持つ

意識するとしないとでは大きな差があります。日中は「上下の歯を離す」ことを意識しましょう。
舌を上顎全体に触れさせ、歯が接触しない状態が理想です。この意識だけでも、顎への負担は大きく減少します。

2. ストレスの管理習慣をつける

 ・軽いストレッチ

 ・シャワーではなく入浴

 ・質の良い睡眠とその時間を確保する

これらは自律神経を整えることにつながり、全身の筋肉の緊張を和らげる効果があります。

3. 歯科医院での専門的アプローチ

歯科医院では、以下のような対応が可能です。

 ・マウスピース(スプリント)の作製適用による顎関節・筋肉の負担軽減

 ・噛み合わせの確認と調整

 ・顎関節や顎位に配慮した矯正の検討・治療

ストレスだけに原因を求めるのではなく、口腔内の環境と心身の状態を同時に整えることが重要です。

まとめ

顎関節症とストレスは非常に密接に関係しています。
顎の痛み自体は、体からのサインですが実はそれは「心が発しているサイン」であることも少なくありません。

痛みだけに目を向けるのではなく、無意識の食いしばり、睡眠や姿勢、生活習慣、これらを総合的に見直すことが、顎関節症改善への近道です。

症状が続く場合は、ひとまず自己判断は避け、歯科医院で相談した上で早めに適切なケアを受けるようにしましょう。​

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