顎関節症で口が開かない時はどうしたら良いですか?
投稿日:2025年5月2日
カテゴリ:顎関節症
顎関節症の代表的な症状の一つに「口が開かない」というものがあります。突然口が開かなくなったり、指が2本も入らないほど開口量が制限されると、食事や会話など日常生活に大きな支障をきたします。では、顎関節症で口が開かないとき、どのように対処すればよいのでしょうか?この記事では、原因別に具体的な対処法をご紹介します。
1. 筋肉の緊張が原因の場合
【原因】 咬筋や側頭筋などの顎周囲の筋肉が過剰に緊張し、開口動作を制限しているケースです。ストレスや歯ぎしり、食いしばりが誘因となることが多いです。
【対処法】
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温める:ホットタオルを顎周辺に当てて温めることで、血流を促進し筋肉の緊張を和らげます。
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軽いストレッチ:無理のない範囲でゆっくりと口を開閉する練習を行い、筋肉の柔軟性を回復させます。
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リラックス:深呼吸や瞑想などでストレスを軽減し、筋肉の過緊張を防ぎます。
2. 顎関節内部の炎症が原因の場合
【原因】 関節円板のずれや滑膜の炎症により、関節内部が腫れ、口の開閉に制限がかかっている状態です。痛みを伴うことが多いのが特徴です。
【対処法】
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冷やす:腫れや炎症がある場合は、氷嚢や冷却ジェルで顎周辺を冷やし、炎症を抑えます。1回15分程度を目安に行いましょう。
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安静にする:無理に口を開けようとせず、顎をできるだけ安静に保ちます。硬い食べ物は避け、柔らかい食事を心がけます。
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消炎鎮痛剤の服用:市販の消炎鎮痛薬(例:ロキソニン)を使用することで、一時的に症状を緩和できます。ただし、長期間の自己判断による使用は避け、早めに医師に相談しましょう。
3. 関節円板のずれ(ロッキング)が原因の場合
【原因】 関節円板が前方にずれ、顎の関節頭が引っかかってしまう状態(ロッキング)です。この場合、自力では口を開けられないことが多いです。
【対処法】
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無理に開けようとしない:無理に口をこじ開けると、関節にさらに負担がかかり悪化するリスクがあります。
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早急に歯科医院を受診する:ロッキングが疑われる場合、歯科医師による徒手整復(関節を元に戻す手技)が必要になります。放置すると慢性的な関節障害につながるため、速やかに専門医を受診しましょう。
4. 心因性要因が関与している場合
【原因】 ストレスや不安が引き金となり、無意識のうちに顎の筋肉を強く緊張させ、開口障害を引き起こすこともあります。この場合、明確な器質的異常がないことも特徴です。
【対処法】
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リラクゼーションを行う:寝る前にリラックスする時間を設け、ストレスを軽減する工夫をします。アロマテラピーや軽い運動も有効です。
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心療内科の相談も検討:心理的要因が大きい場合は、歯科だけでなく心療内科や精神科への相談も有効です。
自宅でできる応急処置
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柔らかい食事に切り替える:おかゆ、スープ、ヨーグルトなど、顎に負担をかけない食事を心がけましょう。
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長時間の会話や大きな口の開閉を避ける:顎への負担をできる限り減らし、自然な回復を促します。
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痛み止めを短期使用する:痛みが強い場合は、短期間であれば市販薬を使用するのも一つの手です。
早めの受診がカギ
自宅での対処で改善しない場合、また症状が悪化している場合は、速やかに専門医(顎関節症を専門に扱う歯科医師)を受診しましょう。早期診断・早期治療により、重症化を防ぐことができます。
まとめ
顎関節症で口が開かない場合、その原因に応じた適切な対処が重要です。筋肉の緊張であれば温めてリラックス、関節炎症なら冷却と安静、関節円板のずれなら専門医への早急な受診が必要になります。自己流で無理に口を開けようとせず、できるだけ早く専門家の診察を受け、正しい治療を受けましょう。
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