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子どもの歯ぎしり食いしばりは治療した方がよいのでしょうか?

投稿日:2024年10月21日

カテゴリ:歯ぎしり・食いしばり

子どもの歯ぎしり食いしばりは、親が音などで気づくこともあれば、歯科検診の際に歯が不自然に削れていることから発見されることもあります。子どもの歯ぎしり食いしばりは一時的なものであることが多いですが、時には注意が必要なケースもあります。今回は、子どもの歯ぎしりに関する基本的な情報と、治療が必要かどうかの判断基準、さらにアプローチ方法について解説していきます。

子どもの歯ぎしりの原因

子どもの歯ぎしり食いしばりの多くは成長の過程で一時的に起こるものとされています。乳歯が生え揃ったり、永久歯への生え変わりが始まる時期によく見られますが、それはなぜなのかというと…

  1. 歯の生え変わりによる噛み合わせの変化
    乳歯から永久歯への移行期には、口内の噛み合わせが次から次へと変わっていきます。それに対する反応として歯ぎしりが生じることがあります。

  2. ストレスや不安
    子どもでもストレスや不安を当然感じます。それらが原因で無意識に歯ぎしりをしている場合もあります。

  3. 顎の骨の成長
    歯が植立している顎の骨そのものも子どもの頃は絶えず成長していきます。それにより上顎と下顎の関係性に変化があるとその変化に適応しようと歯ぎしりを引き起こすことがあります。

  4. その他の健康状態
    アレルギー、耳の痛み、または近年は子どもでもみられるようになった睡眠時無呼吸症候群(SAS)などの健康問題が影響している可能性もあります。

子どもの歯ぎしりに対して治療が必要な場合

多くの子どもの歯ぎしり食いしばりは成長とともに自然に収まることが一般的であり、特に乳歯の時期には必ずしも治療が必要ではないことが多いです。しかし、以下の状況では、専門的なアプローチが必要な場合があります。

  1. 歯が著しくすり減っている
    乳歯は大人の歯(永久歯)より柔らかいので、歯ぎしり食いしばりが長期間続いているとあっという間に歯の表面が摩耗してしまいます。これにより、歯の敏感さや痛みが生じる可能性があります。

  2. 顎や顔の痛みがある
    歯ぎしり食いしばりが原因で顎関節に負担がかかり、子どもが顎や顔の痛みを訴える場合は、治療が必要です。顎関節症(TMJ)の発症リスクもあるため、早めの対応が望まれます。

  3. 睡眠の質が低下している
    歯ぎしり食いしばりが激しいと、子どもの睡眠に悪影響を及ぼします。日中の集中力や機嫌に問題が出ることがあります。

  4. 歯の生え変わり期が過ぎても続く
    通常、歯の生え変わりが完了する頃には歯ぎしり食いしばりが減少していくことがほとんどですが、それ以降も歯ぎしり食いしばりの頻度が変わらず続く場合は、噛み合わせの問題や呼吸環境の問題が原因である可能性が高くなります。

子どもの歯ぎしりへのアプローチ方法

歯ぎしり食いしばりが子どもの健康や生活に悪影響を及ぼす場合、いくつかのアプローチが考えられます。

1. 歯科医による診察とカスタムメイドのマウスピース

歯ぎしり食いしばりが歯の摩耗や顎の痛みを引き起こしている場合、歯科医による診察が最も重要です。子どもの噛み合わせや歯の状態を確認し、必要に応じてカスタムメイドのマウスピース(ナイトガード)を提案することがあります。

カスタムメイドのマウスピースは子どもの口の形に合わせて作られ、歯と歯が擦れ合うのを防ぎます。これは、歯の摩耗や顎への負担を軽減するのに効果的です。

2. 噛み合わせの矯正

歯ぎしり食いしばりの原因が噛み合わせの問題であると診査の結果判明した場合、歯科での矯正が検討されることがあります。ここで重要なのは「歯並びが整えば噛み合わせは改善する」というわけではないということです。なので単に歯を並べる矯正と上顎と下顎の位置関係を意識した矯正はゴールも目的も違います。一説によると、抜歯を伴う矯正を行った場合、歯ぎしり食いしばりが悪化するケースもあるとされていますので、注意が必要です。ともあれ、噛み合わせが改善されると、歯ぎしりも自然と軽減することが期待できます。なお、どんな矯正であっても子どもの成長期に行うことで、顎の発育発達を利用した矯正で治療の選択肢が広がるので柔軟に対応できます。そのため、長期的な歯の健康にプラスになります。

3. 睡眠の質の改善

歯ぎしり食いしばりが睡眠の質に影響を与えている場合、寝る前の習慣や環境、場合によっては栄養状態を見直すことが重要です。テレビやスマートフォンの画面を見る時間が増えると脳の交感神経を優位にしやすくなり、入眠を妨げる原因になります。睡眠中の呼吸状況が悪く、眠りが浅いこともありますが、その場合は睡眠時無呼吸症候群(SAS)の検査を受ける必要がある場合もありえます。

まとめ

子どもの歯ぎしり食いしばりは多くの場合一過性で、特に乳歯の時期には治療が不要なことが多いです。しかし、歯の過度の摩耗咬耗や顎の痛み、睡眠障害などにより生活に大きく影響が見られる場合や、歯の生え変わり期を過ぎても続く場合には、治療が必要となることがあります。専門的なアプローチとしては、歯科医指導によるマウスピースの適切な使用、噛み合わせの矯正、そして睡眠の質の改善が効果的です。

子どもの成長や健康を考慮しつつ、適切な対策を講じることが大切です。​当院ではこういったトラブルの相談も承っております。気になることがあったら、まずは一緒に相談からいかがでしょうか。

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