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顎関節症で頬が腫れる原因は?

投稿日:2024年1月26日

カテゴリ:歯ぎしり・食いしばり 顎関節症

前回までで顎関節症における主要な自覚症状について触れてきました。今回はそういった症状のなかでも顔貌に影響する頬の腫れについてお話していきたいと思います。

歯科関係で「腫れ」と聞くとまず想像するのは歯周病による歯茎の腫れであったり、虫歯菌が歯の深いところに入ってしまって生じる歯の根のトラブルであったりとそちらが多いと思います。しかしそれらはここで取り扱っている内容との関連はあまり緊密にはありません。ここでの内容に即して言うのであれば、腫れというより張りといったほうがあっているかもしれません。

 

さて、まずはじめに結論から言ってしまいますと、顎関節症に起因する頬の張りの主な原因は咬筋と呼ばれる顎を閉じるときに使う筋肉によるものです。この咬筋はたびたび記事で触れることの多い筋肉なので既にご存知かと思いますが、咬筋とは頬骨の下部から下顎のエラにかけて存在する大きな筋肉です。

その咬筋が顎関節症によってどのように変化して影響を与えてくるのか、そのメカニズムを説明していきます。

顎関節の運動に問題(下顎が動くべき理想的なルートを辿れない、顎関節の滑走運動が滑らか行われない 等)が生じると下顎の前後左右に動かすような運動(偏心運動)に運動制限であったり、上顎と下顎の歯同士の不要な接触(=干渉)が生じます。

しかし身体は顎関節の運動に問題があったとしても、顎を正常に運動させようと必要以上の力を出していくようになります。それがあたかも顎を動かす筋肉たちを筋トレさせるような効果をもたらしてしまい、徐々に筋肉が鍛えられて肥大化していきます。咬筋は特に顔の輪郭に影響するような部位に存在するため、こういった事が原因で肥大化するとエラが張ったようになったり、頬が膨れたようになってくるわけです。

これが顎関節症が原因で頬が張ってくるメカニズムになります。

 

次にこういったトラブルの解決方法について説明していきます。

要は、顎の筋肉が筋トレして生じたトラブルですので筋トレをやめさせれば良い、ということになります。ここでいう「筋トレ」とは、顎関節の運動に問題がある状態を無理矢理筋力で解決しようと必要以上に力を加えている状態が長期に渡って続いていることです。

そして顎の筋肉の筋トレをやめさせるには、顎の運動の障害となる要因を取り除けばいい、というわけです。

顎の運動を妨げる要因としては、①左右に動かしたときの奥歯同士の干渉(歯並び) ②顎関節の関節円板の逸脱(関節円板の位置異常) ③虫歯治療で被せたり詰めたものの干渉(不良補綴物) などいろいろあります。

①の場合「歯並び」または「歯が並んでいる顎の骨」の位置を整えたり誘導する矯正治療が必要になることが多いです。古典的な歯にワイヤーをつける方法の他に、着脱可能な透明なマウスピースを用いたりします。

②の場合、①と同様に顎の位置を治すことで顎関節の位置を正して関節円板が復位(元の位置に戻ること)するように促したり、ボツリヌストキシン治療によって顎の筋肉の力む状態を緩和し顎関節への負荷を軽減させたりします。

③の場合、大抵はそれ単一の問題というのはよほどのことがない限り起こり得ません。①や②と併発することが多いです。なのでそれらを行いながら被せものや詰めものを作り直したり調整したりします。

 

顎関節症で頬が張るのは、ここまで説明したように上顎と下顎の関係(噛み合わせ)だけでなく、歯ぎしり食いしばりといった習癖や生活習慣や職業も遠巻きながら関連してきます。

まず何が原因で頬が張っているのかをしっかり診査診断するところからはじまります。もし興味があるようであれば、当院で相談からいかがでしょうか。

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