歯ぎしり食いしばりと頭痛|顎関節症・咬み合わせ専門歯科医院HP

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歯ぎしり食いしばりと頭痛

投稿日:2023年8月23日

カテゴリ:歯ぎしり・食いしばり 顎関節症

歯ぎしり食いしばりと頭痛は切っても切れない関係といえます。当院で嚙み合わせの相談・治療させていただいている患者さんのほとんどが頭痛をお持ちで悩んでいらっしゃいます。

今回は歯ぎしり食いしばりによって発生する頭痛の機序・原因や、歯ぎしり食いしばりに起因する頭痛の解消に有効な方法についてお話しようと思います。


まずはじめに、歯ぎしり食いしばりが原因で生じる頭痛において、噛むときに使う筋肉の「側頭筋」とよばれる筋肉が挙げられることがあります。具体的に言えば、その側頭筋が常に緊張してしまう状態になっていることが原因です。

それが原因であれば、側頭筋が緊張しないようにすれば症状が緩和するのですが、なぜ、側頭筋が常に緊張している(=力を入れ続けている)のでしょうか。その原因の一部を列挙してみますと…

①偏心運動がしにくい状態になっている … 偏心運動とは、下顎を前後左右に歯ぎしりさせるように動かすことですが、その際の正しい運動の仕方が定義されています。それは、下顎を左右に動かすとき、前から3番目の歯(犬歯)しか当たらないようになっていて、下顎を前に動かしたとき奥歯は接触せず、上下の前歯が左右対称に接触していることです。上下の顎がそういった嚙み合わせでなければ奥歯あるいは前歯が顎の運動を妨げていることになるので、顎を動かす筋肉が無理やり動かそうと過大な力をかけるようになるのです。​結果として筋肉が必要以上に鍛えられてしまったり緊張状態が生じやすくなるわけです。

②上顎と下顎の位置関係が理想的ではない … 顎の成長発育のピークは学童期ですが、その時期に上顎と下顎が理想的な成長をする状況が得られなかったり、先天的な要因で顎の成長が妨げられたりすると、上顎と下顎の上下左右、あるいは前後的な位置関係が理想とする状態と異なって成長期を終えてしまいます。その関係のまま上顎と下顎をかみ合わせたり、顎の位置を保つために、常にどこかしらの筋肉が力を入れないといけない状況になっている場合があります。結果として筋肉が緊張し続けざるを得ないようになってしまうのです。

 

それでは次に、それらの原因を解消する方法についてお話しします。

まず、先述した①が原因である場合ですが、簡易的な対症療法として夜間就寝時にナイトガード(マウスピース)を使用する方法があります。これは対症療法という前提はありますが、症状の緩和は見込めます。しかし、原因を除去するわけではないのでナイトガードの使用を止めると症状が再発する場合があります。

次に②が原因である場合、顎の位置や嚙合わせる位置は先述の通り顎の成長方向や成長量によって決まってしまうので、自分の意思ではどうにもできないところに原因があります。なので、本来であれば学童期に顎の位置の誘導をしっかり行うことができるRAMPA矯正などを実施するのが理想です。しかし、大抵の場合は成人以降に症状を自覚し、治療することがほとんどです。そういった成人に行うかみ合わせの治療の場合、理想が100%かなうことは難しいですが、理想に近づけることで症状を消退・緩和させることが出来ます。

 

さて、ここまでで歯ぎしり食いしばりと頭痛が切っても切れない関係であり、それらは上顎と下顎の関係性や筋肉といった歯の周囲の組織をも巻き込んで生じていることがおわかりいただけたかと思います。それらを踏まえた上で歯ぎしり食いしばりをコントロールして頭痛症状の緩和・消退する方法も一例ではありますが挙げさせていただきました。

もしかしたら自分もそうかもしれない、と思い当たる方はまずは当院にて噛み合わせの相談からいかがでしょうか。

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