歯ぎしり食いしばりの違いについて
投稿日:2024年6月7日
カテゴリ:歯ぎしり・食いしばり
歯ぎしりと食いしばりは、どちらも無意識のうちに行われることが多く、歯や顎、さらには全身にさまざまな問題を引き起こす可能性がある行動です。どんなに健康であっても、歯ぎしり食いしばりは行われているといわれています。ここで問題なのは必要以上に行われた歯ぎしり食いしばりによって歯や顎、口全体のシステムが破壊されてしまうことです。しかし、これらの特徴や対処法について理解することで、適切な対応を取ることができます。
歯ぎしり(ブラキシズム)
歯ぎしりは主に夜間に起こることが多く、睡眠中に上下の歯を強くこすり合わせる動作を指します。この動作により、歯の表面が摩耗し、長期的には歯の損傷や顎関節の問題を引き起こす可能性があります。歯ぎしりの音が大きいため、友人・家族によってその音を指摘されることで自覚することが多いです。
主な原因
- ストレスと不安: 日中の過度のストレスや緊張が、睡眠中に必要以上の歯ぎしりとして現れることがあります。
- 不正咬合: 歯並びの不良であったり、噛み合わせや上顎と下顎の関係性が歯ぎしりを引き起こすことがあります。
- 生活: カフェインやアルコールの過剰摂取によって交感神経が優位な状態であると、歯ぎしりが生じやすくなります。また、偏った栄養状態も原因となることがあります。
対処法
- ストレス管理: リラクゼーションテクニックを取り入れることで、日中のストレスを軽減し、夜間の歯ぎしりを減少させることができます。
- ナイトガード(マウスピース): ナイトガード(マウスピース)を使用することによって睡眠中に歯が強くこすり合わされることを予防し、摩耗を防ぐのに役立ちます。
- 生活習慣の見直し: カフェインやアルコールの摂取を控えたり、栄養状態の見直し、食生活の改善を図ることで、歯ぎしりの頻度を減らすことができます。
- 歯科治療: 歯のかみ合わせの治療や被せ物や詰め物の見直しが有効な場合があります。
- ボツリヌストキシン治療: 歯ぎしりをしてもさほど負担がかからないように筋肉をリラックスさせるボツリヌストキシン治療という方法があります。
食いしばり(クレンチング)
食いしばりは、上下の歯を強く噛み締める動作で、日中起きている間にも発生しやすいです。食いしばりは音が出ない上、知らないうちにやっていることが多いため、自覚しにく特徴があります。これにより、歯や顎、首、肩などに慢性的な緊張や痛みを引き起こすことがあります。一説によると、食いしばることで顎が安定し、それが姿勢の安定に寄与すると言われています。また、精神的安定に繋がるとも言われていますので、顎の安定は精神的側面にも影響を与えているとされています。
主な原因
- ストレスと不安: 日中の過度のストレスや緊張が、睡眠中に必要以上の食いしばりとして現れることがあります。
- 集中状態: 何かに集中しているとき、無意識に歯を食いしばることがあります。
- 力を込めるとき: 力をいれるとき、噛みしめるときとそうしないときとで比べた場合、顎が安定する観点から力がだしやすいようです。なので職業上あるいは生活上において力を要する頻度が高い場合は歯を食いしばる頻度も高くなります。
- 習慣: 長年の癖や習慣が食いしばりの原因となることがあります。
対処法
- ストレス管理: ストレスを軽減するための方法を見つけ、リラックスすることが重要です。例えば、定期的かつ適度な運動や趣味を楽しむことがストレス解消に役立ちます。
- 自覚とリマインダー: 少なくとも起きている間は、自分が食いしばりをしていることに気づくことができます。そのためにリマインダーとしてパソコンの画面の端に「顎の力を抜いて」という付箋を貼るなどの方法があります。
- 顎の筋肉のストレッチ: 顎の筋肉を定期的にストレッチすることで、筋肉の緊張を緩和することができます。
- ボツリヌストキシン治療: 食いしばりをしてもさほど歯や顎に負担がかからないように筋肉をリラックスさせるボツリヌストキシン治療という方法があります。
歯ぎしりと食いしばりは、日常生活において無意識に行われることが多く、それぞれ異なる特徴を持ちながらも、歯や顎に深刻な影響を及ぼす可能性があります。歯ぎしりや食いしばりが疑われる場合は、早めに歯科医に相談し、適切な治療とケア・指導を受けることが重要です。当院ではそういった相談も受け付けています。お気軽に相談ください。
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