歯ぎしりと歯周病の関係について|顎関節症・咬み合わせ専門歯科医院HP

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歯ぎしりと歯周病の関係について

投稿日:2023年9月22日

カテゴリ:歯ぎしり・食いしばり

今や日本人のほとんどが罹患しているという歯周病。45歳を過ぎると過半数が罹患していると言われていて、もはや国民病と言っても差し支えないでしょう。中には「食後にきっちり指導されたとおりにセルフケアしているのに、なんで歯周病に?」と寝耳に水とも言える診断を歯医者さんから聞かされた方もいらっしゃるかもしれません。もしかしたらその歯周病の原因はセルフケアの良し悪しではなく、他の原因が絡んでいる可能性があります。その正体こそ今回お話するタイトルにもありますが、歯ぎしり食いしばりかもしれない…ということです。

なので今回は、歯ぎしり食いしばりと意外な接点をもつ歯周病の関連性について説明したいと思います。

御存知の通り、歯周病は古い言い方では歯槽膿漏ともいいます。歯肉炎と違い、歯の周囲の骨が炎症によって溶ける疾患です。歯の揺れや口臭、歯茎から出血したり膿が出たり、場合によっては激しい痛みを伴ったりしますが大抵は無症状で進行し、たまたま行った歯科検診で発覚した…なんてことは珍しくありません。そんな病態を指してサイレントディジーズであったりサイレントキラーといった別名があります。さらに、糖尿病と歯周病は互いに互いの病状を増悪させ合う関係も指摘されていて、命を脅かす疾患と考えることもできます。ちなみに一度歯周病にかかると自然治癒はしないので、歯医者さんでの歯周病治療は必ず必要になります。

そんな歯周病ですが、なんと歯ぎしり食いしばりが常習化していると発症しやすいといわれています。歯ぎしり食いしばりによって歯がグラグラと揺さぶられると、歯の周囲の骨が溶けてしまいます。それにより歯周病の原因菌が存在しないにも関わらず歯が揺れたり、歯と歯茎の間に溝(歯周ポケットといいます)が生じます。すると、その歯周ポケットの中に歯周病原菌が侵入し、歯茎に炎症を生じさせて、本当に歯周病になってしまうというわけです。本来の歯周病の成り立ちで言えばプラークコントロール不良などから歯周病原菌が先行して炎症をもたらしてポケットを作っていくのですが、この流れはポケットができた後に歯周病原菌が侵入するので、順序が逆です。言ってしまえば、自分自身で歯を揺さぶって歯周病原菌の住処を作ってしまっているのです。

大抵の場合このように歯ぎしり食いしばりも歯周病の成因になっていると、歯そのものがダメージを負っていたり、他の問題も抱えていることがほとんどです。また、歯周病になった状態で歯ぎしり食いしばりが続くと歯周病そのものがさらに増悪していきますので、歯周病の治癒が非常に困難になります。治ったとしても再発して、結果として何度も歯周病治療で歯医者に通い続けることになります。

ここまでを要約すると歯ぎしり食いしばりは歯だけでなく歯茎にまで影響を与え、歯周病を生み出すだけでなく、増悪させたり治癒を困難にさせたりする厄介なものというわけです。

ただし歯ぎしり食いしばりとの関連以前に歯周病を治す上で非常に大切なことは、歯周病治療は歯医者と患者さんご自身との二人三脚であることです。虫歯の治療と違い歯医者が全てやってくれるというものではなく、むしろ歯周病治療においていえば、患者さんご自身でのセルフケアが鍵を握っているといっても過言ではないくらいです。仮に歯ぎしり食いしばりを解決したとしてもセルフケアが伴っていなければ長期的な維持が困難になり、結局再発してしまいます。

 

最後に、噛み合わせの治療は大抵の場合それ以外のお口の問題と併行して進めることが多いです。それは歯ぎしり食いしばりが複数のトラブルをつくっていることが理由になるのですが、今回のテーマである歯周病もその1つです。噛み合わせの治療を行うことは結果として直接的な顎の症状だけでなく副次的に生じる問題も解決することに繋がっています。

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