睡眠の質と歯ぎしり食いしばりって関係あるの?
投稿日:2026年6月2日
カテゴリ:歯ぎしり・食いしばり
「朝起きると顎が疲れている」
「寝ている間の歯ぎしりを家族に指摘された」
このような悩みを抱えている方は少なくありません。
歯ぎしり食いしばりは、単に歯や顎の問題と思われがちですが、実は睡眠の質の良し悪しと深く関係しています。歯ぎしり食いしばりは単なる悪習癖ではなく、睡眠中の脳や身体の反応のひとつとして起こるケースが多いと考えられています。つまり、歯ぎしり食いしばりが睡眠の質に影響を与えるというより、睡眠の質の低下により歯ぎしり食いしばりを引き起こす可能性がある、という見方があるのです。
今回は、睡眠の質と歯ぎしり食いしばりの関係について解説しながら、歯ぎしり食いしばりを改善するために見直したい生活習慣についてもお話しようと思います。
歯ぎしり食いしばりとはどのようなもの?
まず、歯ぎしり食いしばりとは、ブラキシズムとも呼ばれ、上下の歯を強く擦り合わせたり噛みしめたりする行動の総称になります。
代表的なものには次の3種類があります。
グラインディング
歯をギリギリと横方向に擦り合わせるタイプです。一般的に「歯ぎしり」と呼ばれるもので、歯の摩耗が起こりやすい特徴があります。
クレンチング
上下の歯を強く噛みしめるタイプです。音が出にくいため気付きにくい、一般的に「食いしばり」と呼ばれるものです。
タッピング
上下の歯をカチカチと打ち鳴らすタイプです。比較的少ないタイプですが、グラインディングやクレンチングと併発していることが多いです。
睡眠の質が低下すると歯ぎしり食いしばりが増える理由
歯ぎしり食いしばりの多くは睡眠中に発生します。しかもそれらは深い眠り(ノンレム睡眠)の最中ではなく、浅い眠り(レム睡眠)のときに起こることが多いとされています。その中で一時的に脳の活動が活発になる反応が起こることがあります。この覚醒反応の際に筋肉活動が増加するので、その一環として歯ぎしりや食いしばりが発生すると考えられています。
ではなぜ睡眠が浅くなり質が低下すると歯ぎしり食いしばりが増えるのか、触れていきたいと思います。
1. 脳が頻繁に覚醒しやすくなる
睡眠の質が低下すると、睡眠中の覚醒する頻度が増加します。すると歯ぎしり食いしばりが起こる回数も増えることになります。
例えば、
・ 不規則な生活
・ 睡眠時間の不足
・ 飲酒
・ カフェインの過剰摂取
などは睡眠の質を低下させる要因です。これらに共通するのは交感神経を優位にさせやすいということです。睡眠が浅くなることで脳が何度も覚醒し、そのたびに歯ぎしり食いしばりが誘発されやすくなります。
2. ストレスとの関係
歯ぎしり食いしばりとストレスには非常に深い関係があります。精神的な緊張やストレスが続くと、自律神経のバランスが乱れ、やはり交感神経が慢性的に優位になっていき、睡眠の質が低下しやすくなります。
そうなると当然のことながら睡眠中も脳が十分に休息できず、覚醒反応が増えるので歯ぎしり食いしばりが起こりやすくなると考えられています。
3. 睡眠中の呼吸環境との関係
近年注目されているのが、睡眠中の呼吸環境と歯ぎしり食いしばりの関係です。例えば「睡眠時無呼吸症候群」においては、睡眠中に呼吸が何度も止まったり弱くなったりします。すると脳は酸素不足を防ぐために覚醒反応を起こしてしまうのです。この際に歯ぎしり食いしばりが発生することがあるため、睡眠時無呼吸症候群の患者においては歯ぎしり食いしばりの頻度が高い傾向が見受けられます。
歯ぎしり食いしばりが睡眠の質をさらに悪化させることも
歯ぎしり食いしばりは睡眠の質低下によって起こるだけではありません。相互作用のように、歯ぎしり食いしばりそのものが睡眠の質を悪化させることもあります。
つまり歯ぎしり食いしばりによって、
・ 顎の筋肉が緊張する
・ 顎関節に負担がかかる
・ 朝の顎の疲労感が強くなる
といった状態そのものが、身体の十分な休息を妨げる原因となるわけです。結果として、起床時の疲労感や肩こりなどにつながります。つまり、歯ぎしり食いしばりと
睡眠の質を高めるためにできること
1.規則正しい生活を心がける
睡眠リズムを整えることは、歯ぎしり食いしばり対策にもつながります。毎日なるべく同じ時間に寝起きすることで、体内時計が安定しやすくなります。
2.就寝前のスマートフォンなどのブルーライトを控える
スマートフォンやタブレットから発せられるブルーライトは、睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌に影響を与えます。就寝前はできるだけそれらの使用時間を減らしたり、ナイトモードを利用するなどして、理想的な入眠に備えるのが大切です。
飲酒やカフェインを見直す
アルコールは眠気を誘うので眠りを深くするイメージがありますが、実際には睡眠を浅くレム睡眠状態であることが多いので夜間の覚醒を増やすことがあります。また、夕方以降のカフェイン摂取も同様に睡眠を浅くすることにつながります。
まとめ
歯ぎしり食いしばりと睡眠の質は密接に関係しています。
睡眠の質が低下すると、睡眠中の覚醒反応が増え、歯ぎしり食いしばりが起こりやすくなります。また、歯ぎしり食いしばりそのものが顎や筋肉に負担をかけ、睡眠の質をさらに低下させるという悪循環に陥ることもあります。
そのため、歯ぎしり食いしばりの対策としてナイトガードなどによる歯の保護だけでなく、睡眠環境の見直しや、入眠前の習慣の見直し、規則正しい生活習慣の形成といった総合的なアプローチが重要です。
「歯ぎしりがある」「朝の疲れが取れない」「顎の不調が続いている」という方は、一度歯科医院で相談してみることをおすすめします。
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