ストレスと歯ぎしり食いしばりってどういう関係なの?
投稿日:2026年10月20日
カテゴリ:歯ぎしり・食いしばり
歯ぎしり食いしばりは無意識のうちに上下の歯を強く噛み合わせたり、顎の筋肉に力を入れたりする習慣です。日中の仕事や家事に集中しているときだけでなく、睡眠中にも起こることがあります。
原因は一つではなく複数の要因が絡んで生じるものですが、その要因の中でよく知られているのはストレスや精神的な緊張があります。
今回はそういったストレスと歯ぎしり食いしばりの関係や、歯・顎への影響、日常生活でできる対策についてお話しようと思います。
ストレスが歯ぎしり食いしばりにつながるのはなぜ?
以前の記事で触れたことがあると思いますが、簡潔にまとめてみます。
ストレスを感じると、身体は緊張状態になりやすくなります。人によっては肩や首に力が入ったり、呼吸が浅くなったりするほか、顎の筋肉を緊張させることがあります。つまり交感神経が優位な状態です。
そもそもストレスとは「生命の危機・存在の危機にさらされた状態」に感じます。人間はもともと狩猟を行っており死ぬか生きるかの自然の中に身をおいていました。そういった環境下で眼の前の野生動物を相手取って「戦うか逃げるか」という生命がおびやかされている状況こそ、ストレスがかかった交感神経が優位になっている状態です。具体的には瞳孔は開き、末梢血管は収縮し、呼吸は浅く早く、そしていつでも動けるように全身の筋肉は緊張しますし、姿勢をより安定させるために上顎と下顎を噛み合わせることもあります。その名残のように、現在のような社会生活下ではストレス下では歯ぎしり食いしばりが残っているわけです。
つまり歯ぎしり食いしばりは、本人が意識しようがしまいが、100%抑止することは難しく、気づかないうちに上下の歯を接触させたり、強い力で噛みしめたりしているものであるという前提を踏まえておく必要があります。
歯ぎしり食いしばりを放置するとどうなる?
歯ぎしり食いしばりがあるからといって、ただちに歯や顎に問題が起こるわけではありません。しかし、強い力が繰り返しかかる状態が続くと、経時的に影響が出てくるようになります。
歯や補綴物のトラブル
歯ぎしり食いしばりにより歯の表面がすり減ったり、歯の一部が欠けたりすることがあります。さらに歯に細かなヒビが入る場合もありますし、最悪の場合歯が割れてしまうこともあります。
歯そのもの以外に、補綴物(詰め物・被せ物・義歯など)にも負担がかかり、破損や脱離の原因になることがあります。何度も同じ部位が破損したり脱離する場合、歯ぎしり食いしばりが関与していると考えたほうがいいかもしれません。
知覚過敏が起こる
歯ぎしり食いしばりによる負担が歯に加わると、冷たいものなどがしみることがあります。
ただし、知覚過敏の症状と虫歯の症状は似ているので、歯科医院で確認することが大切です。
顎の筋肉が疲れる・痛む
歯ぎしり食いしばりをすると、咬筋などの咀嚼筋に力が必要以上に入り続けることになります。そのため、顎のだるさや疲労感、こめかみ周辺の不快感などが生じることがあります。
さらに、口を開けると顎が痛んだり、口を大きく開けにくいこわばりを感じたりする症状が現れたりします。
ストレスによる歯ぎしり食いしばりを減らすための対策
歯ぎしり食いしばりへの対策をするうえで大切なのは、先述したように100%抑止は出来ないことを念頭に置き、、歯や顎を守ることをゴールとすると良いでしょう。
日常生活の中で歯ぎしり食いしばりをしてしまうタイミングに気づき、力を抜く意識付けをすることが大切です。
1.上下の歯を離す習慣をつける
第一歩として日中の歯ぎしり食いしばりに対しては、まず歯が接触していないかを意識することが有効です。
通常、安静にしているときは上下の歯が常に接触している必要はありません。唇を軽く閉じ、上下の歯の間にわずかな隙間をつくり、顎の力を抜くことを意識しましょう。
2.長時間の作業の間にこまめに休憩を取るようにする
長時間のデスクワークや集中作業が続くと、身体の緊張に気づきにくくなります。
定期的に休憩を取り、肩や首をゆっくり動かしたり、深呼吸をしたりして、身体の力を抜く時間をつくりましょう。同じ姿勢を保っていると血行が悪くなっています。それ自体が筋肉の緊張を増悪させているので休憩がてらのストレッチは非常に有効です。
ただし痛みがある場合は実施せず、かかりつけの歯科医院に相談するようにしましょう。
3.ストレスをため込まない工夫をする
そもそもストレス自体を減らす事ができるのであれば、実施すべきでしょう。
ただ現代においてストレスの原因を完全になくすことは難しいものです。そのため、日常生活の中で自分に合ったリフレッシュ方法を見つけることが大切です。
ここでいうリフレッシュ方法というのは、副交感神経優位な状況を作る手段をいいます。例えば、軽い運動や散歩、趣味の時間、入浴などを取り入れる方法があります。また、睡眠時間をしっかり確保し、生活リズムを整えることも非常に重要で、心身のコンディションを保つうえで役立ちます。
ただし、こういったストレス対策は効果が出てくるのに日数が必要です。また、こういった試みだけで歯ぎしり食いしばりが改善するとは限りません。症状が続く場合は、歯や顎の状態、呼吸環境の良し悪しも確認する必要があります。
4.歯科医院で相談する
症状や状態によっては、睡眠中の歯ぎしり食いしばりから歯を保護するために、マウスピース(ナイトガード)を適用することもあります。よくある誤解として、こういったマウスピースは歯ぎしり食いしばりをなくすのが目的ではありません。歯ぎしり食いしばりでの顎の運動を滑らかに行わせることで顎の筋肉の緊張が生じにくくすることと、歯と顎の保護が目的です。
また、歯ぎしり食いしばりの原因がストレス以外と判断されるなら、それに対しての相談や治療計画の立案が必要になります。
まとめ
ストレスと歯ぎしり食いしばりには大いに関係があり、無意識に歯を噛みしめてしまうことがあります。また、睡眠中の歯ぎしり食いしばりにも、ストレスを含む複数の要因が関係していると考えられています。
歯ぎしり食いしばりが続くと、歯のすり減りや欠け、補綴物のトラブルや知覚過敏、顎の筋肉の疲労などにつながります。
「気づくと歯を食いしばっている」「朝起きると顎が疲れている」「歯がしみる、欠けるなどの症状がある」といった自覚がある場合は、自己判断せず歯科医院で相談してみるのが良いでしょう。
歯や顎の状態を確認し、自分に合った対策を行うことが歯ぎしり食いしばりから口腔内を守ることにつながります。
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