スポーツ中に歯ぎしり食いしばりをしてしまう原因って?
投稿日:2026年9月29日
カテゴリ:歯ぎしり・食いしばり
スポーツ中、たまに歯を食いしばっているのを自覚することがあったり、運動後に顎が疲れていることがあったりしませんか?
スポーツ中は、普段の生活よりも強く歯を食いしばる傾向があります。特に、ウェイトトレーニングや格闘技、ラグビーなど瞬間的に大きな力を必要とする競技では、無意識に歯を強く噛みしめていることがあります。
実際、スポーツにおいては噛み締めることで得られる恩恵が多いのですが、強い食いしばりが長時間続いたり、高頻度で繰り返されたりすると、歯だけでなく歯ぐき、顎関節、咀嚼筋などにまで悪影響が及ぶことになります。
今回は、スポーツ時になぜ食いしばりが起こるのか、歯や顎にどのような影響があるのか、スポーツを続けながら口の中を守るためのポイントについてお話しようと思います。
スポーツ中になぜ食いしばりが起こるの?
スポーツをしているときに食いしばりが起こる理由には、身体の力を発揮することや姿勢を安定させることなどが関係しています。
力を込めやすいため
筋力トレーニングなどで大きな力を発揮するとき、無意識に歯を噛みしめることがあります。
例えば、重いものを持ち上げたり、相手と接触するスポーツだったり、瞬間的に大きな力を出す瞬発力を求められるスポーツがそれに相当します。
実際、強い力を出すときは噛み締めているときのほうが力が出る、という研究があります。また、スポーツ中の食いしばりには、身体が力を発揮する際の自然な反応という側面もあります。
身体を安定させるため
スポーツでは、頭や身体の位置を安定させる必要がある場面が多いです。
上下の歯を噛み合わせて顎の位置を安定させることで、身体も安定させることにつながるのです。ただし、「強く噛めば噛むほど能力が上がる」というわけではありません。
競技や動作によって必要な力の入れ方は異なり、常に強く噛みしめる必要があるわけではありません。
スポーツ時の食いしばりで歯にどんな負担がかかる?
歯は非常に硬い組織ですが、強い力を繰り返し受け続ければ負担が蓄積することがあります。
歯がすり減る
強い食いしばりが繰り返されると、歯と歯が接触することで歯の表面が徐々にすり減ることがあります。歯のすり減りが進むと、歯の形が変化したり、冷たいものがしみる知覚過敏につながったりする場合があります。
歯が欠けたり、ひびが入ったりする
強い噛みしめによって歯に大きな力が加わると、歯の状態によっては欠けたり、ひびが入ったりすることがあります。特に、大きな詰め物や被せ物が入っている歯、すでに歯質が弱くなっている歯などは注意が必要です。
歯のヒビを起点に破折につながると被せ物や神経を取る処置などが必要になることがあります。
詰め物や被せ物への負担
食いしばりによる力は天然歯だけでなく、補綴物(詰め物や被せ物)、ブリッジやインプラントなどにも当然かかってきます。強い力が繰り返し加わることで、補綴物が破損したり外れたりすることがあります。
顎関節や咀嚼筋への負担
食いしばりでは、歯だけでなく顎の筋肉にも力が入ります。
特に咬筋や側頭筋などの咀嚼筋を強く使うため、運動後に顎が疲れて感じたり頬のあたりが張るような咀嚼筋の症状が現れたり、こめかみが痛くなったり口を開けると違和感が出たりして顎関節の症状を感じることがあります。
スポーツシーンでの食いしばりが頻繁に生じる場合には顎関節にも負担がかかり顎関節症へ影響を考えなければなりません。
ただし、スポーツ時の歯ぎしり食いしばりだけが顎関節症の原因になるわけではありません。顎関節症には、歯ぎしりや食いしばり、噛み合わせ、ストレス、外傷などさまざまな要因が関係しています。
マウスガードを使用する方法もある
スポーツによる歯へのダメージが心配な場合には、スポーツ用マウスガードの使用が検討されます。
特に、選手同士の接触があるスポーツの場合は外部からの衝撃から歯や口の中を守る目的で、著しい食いしばりが見込まれるスポーツの場合は歯の損耗を防ぐ目的でマウスガードが使用されることがあります。スポーツごとにスポーツ用マウスピースを製作するにあたってのルールや仕様が存在することもありますので、確認が必要です。
歯科医院では、口の中の状態や噛み合わせを確認したうえで、必要に応じてスポーツ用マウスガードをオーダーメイドすることもできます。
市販品と歯科医院で作るスポーツ用マウスガードの違い
市販のマウスガードは自分で温めて形を合わせるタイプが一般的で、比較的簡易に製作出来ますが適合が良好でない場合が多く、場合によっては行うスポーツのレギュレーションに適さない場合もあります。
一方、歯科医院では歯型を採取し、一人ひとりの口の形に合わせたマウスガードを作製することができ、かつスポーツの種類や装着感、噛み合わせなどを考慮して作製できることがメリットです。
まとめ
スポーツ時の歯ぎしり食いしばりは、決して珍しいものではありません。むしろ大きな力を発揮するときや身体を安定させるときには必要なことになります。
しかし、強い食いしばりが長時間続いたり、頻繁に繰り返されたりすると、
・ 歯がすり減る
・ 歯が欠ける、ひびが入る
・ 知覚過敏が起こる
・ 詰め物や被せ物に負担がかかる
・ 咀嚼筋が疲れる
・ 顎関節に負担がかかる
などの問題につながる可能性があります。そのため、スポーツ中の食いしばりをどうコントロール・マネジメントするかが大切になります。
他社との接触があったり、著しい食いしばりのあるスポーツでは、外傷や衝撃、咬耗などから歯や口の中を守るためにスポーツ用マウスピースが役立つので検討をしてみるのも良いかもしれません。
「スポーツ後に顎が疲れる」「歯がすり減ってきた」「運動中に強く食いしばっていると言われた」など、気になる症状がある方は、一度歯科医院で歯や噛み合わせ、顎の状態を確認してみましょう。
競技のパフォーマンスだけでなく、長くスポーツを楽しむためにも、歯や顎の健康を守ることは大切です。
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